touring diary 2006/7/5-13  B


7/9

 稚内から礼文島(利尻)までフェリーが出ているが、個人予約が出来ない。当日バイクが大丈夫かなあと思っていたが、バイクも自動車も人に比べると少なかった。それにしてもホテル予約の時に、稚内は満員だった のだ。だから稚内駅前では予約が取れず南稚内になったのだが、この時期礼文島に渡る人が多く、そのほとんどが飛行機で稚内まで来るのである。6月、7月の礼文島は花の美しい時期で、それ目当てに観光客が押し寄せる らしい。下の写真の人の列、けっこう賑わっていますね。

   フェリーの上から利尻島が見えた。時間があれば利尻礼文と両方回りたかったが、ま、楽しみは後に取っておくのもいいだろう。10時50分発のフェリーに乗るために1時間前にフェリー乗り場へ。風は強かったが快晴で気持ちのいい日である。餌をもらおうとカモメが何羽かついてくる。利尻島が雲間から姿を現した。利尻富士と呼ばれる美しい山だ。

 着くと昼だったので飯を食う。それにしても人間ってのは良く食う生き物ですね。左がウニ丼(小)、右がウニパスタ。エゾバフンウニと指定しなくてもそれが出てくるのがエライよね。昆布とともにこの島の特産品だもんなぁ。で、時期はこの2ヶ月間だけ。従って少々飽きても今食っておかねばならないのである。 パスタ好きの私は右のウニパスタを食ったが、この田舎にしてはけっこう旨かった(失礼)。

  

 香深の港からバイクで山に登る。展望台から見た利尻島。一面に咲き乱れた花園から見る景色には感動を禁じえない。助手がまったく上ってこないと思ったら、案の定、 途中で花の写真を撮りまくっていたようだ。今までどんなデジカメを買っても上手く写真が撮れなかった助手に先日買ってやった手振れ防止機能のついたカメラ。実はこれが功を奏して上手く写真が撮れるようになったのだが、助手は「自分の写真技術が向上した」のだと勘違いしているようだ。しかし「ねえねえ、私って花を撮る天才でしょ!」と喜色満面で嬉しそうにしているのを見ると、その写真が助手の才能によるものかカメラを作った人の技術によるものかを伝えることが出来ない でいる。

 礼文島の山頂から西側にかけては樹木がほとんど生えていない。強風と寒さによるものだが、これが独特の景観を作り出している。 冬の過酷な環境が夏の今でも想像できる景観である。良くこんなところまで人が住み着いたものだ。ところで私たちの乗っているバイクはオンロードバイクといっていわゆる舗装道路を走るのが前提で作られたバイクである。もちろん北海道はどんなバイクでもそれなりに楽しめることは間違いないが、ダート(いわゆる砂利道)を走ることが出来るオフロードバイクのほうが、例えば湿原だとか、山道だとかを走ることが出来るので、きっともっと選択肢が広がるに違いない。実際すれ違ったりするバイクを見ているとオフロード車も多い。のんびり景色を見ながら走るなら オフロードバイクという選択も面白いだろう。

 下はスコトン岬・・・礼文島最北端の岬である。宗谷岬のほうが地図上は北であるが、雰囲気としては目の前の無人島のトド島の雰囲気も合わさっていかにも最北端に来た、という感じである。北海道もここまで来るといかにも最果ての地という雰囲気が漂っている。冬の暮らしは想像もつかない・・・こんな感慨を持って眺めていると、助手がまた売店に捕まり、ウニを買いそうになっている。ちょっと待て、岐阜に送るには二日かかる(関東地区は1日)。それはもう新鮮とは呼ばない。ウニは現地で食えばいいから・・・キーホルダーで我慢せよ!。まったく このお買い物クラブの副会長には目が離せない。

 実はここからがすごかった!。さあ、宿にでも向かうか・・・と今来た道を引き返すと、道が二手に分かれていて、ひとつは上に上っている。それを上っていくと・・・。今迄で一番見晴らしの良い尾根道路に出た。もちろん回りはすべてお花畑。エゾカンゾウやらハマナス、せり科の花が咲き乱れた草原にこの景色・・・もうメッチャクチャ気分のいい道だ。車も人もだーれもいない。 こんな道を走ったのは本当に生まれて初めてだ。写真を撮り、深呼吸をする。バイクに乗りながら片手でヴィデオを回し、撮影する。こんなことをしていくらでも遊んでいられる。礼文島・・・いいとこだぁ〜。

 さあ帰るか・・・バイクに向かうと、後ろから「キャー!」と悲鳴が聞こえた。振り返ると助手が倒れたバイクに挟まれていた。ま、さほどひどいことにはなっていないようだからとカメラを取り出し、記念写真を写してやった。足の短い助手は、バリオスでもつま先立ちしか出来ず、道が少しでもデコボコしていたりするとこんなことになる。この時はバイクもなんとも無かったし、助手も大好きなお花畑に埋もれて楽しかったろうと、起こして帰ってきたが、まさかこれから2度もコケルとは この時思ってもみなかった。

 途中、そのまま海岸に降りる道があったので降りてみた。ああ、何たる風景・・・。気持ち良すぎるとはこのことだ。漁師小屋が建てられているが人がいる気配が無い。写真を撮り戻ると助手がユーターンを失敗して立ち往生している。仕方なく替わり、方向転換する。助手は右回りが苦手である。それは御嶽山でもトンネルでも、右カーブで転倒しているからだろうが、どんなに広い道路でもユーターンが出来なくなっている。「左向きにユーターンしてよ!」ある時怒って私に言ったが、それは無理である。日本は左側通行だ。ユーターンの場合どうしても右回りになるのである。助手の場合道幅が10mあっても、私に運転を代われと言う。お前本当にバイク免許持ってるのか?。

 最後はホテルの夕食の写真で締めくくりましょうか。泊まったホテルで夕食を取ったのはこの日だけ。礼文島にはそんなに食べるところが無いだろうと食事つきで頼んだのである。普段我々は朝食付きのビジネスホテルに泊まることが多い。 夕食はその町の居酒屋やレストランで食べたほうが似たり寄ったりの旅館料理より飽きないからである。特に旅が長くなると選択肢が限られた食事では嫌になってくる。ボタンえびにウニに生蛸、ほかにもいろいろ出たが、けっこうおいしかった。ホテルの人もみな感じが良かった。そうそう、このホテルと昨夜泊まったホテルにはクーラーが無かった。暖房機と扇風機があるだけだ。 しかし夜になると気温は15度くらいになるから、ほとんど必要ないかもね。


 7/10

  最初は8時50分のフェリーで稚内に帰る予定だったが、ここで助手がグズッた。まだ礼文ウスユキソウを見ていないというのである。まあ、また来年もあるし・・・とお茶を濁そうとしたが、横からホテルの従業員が「ここへ来てウスユキソウを見ないのは、残念ですねえ」と煽るようなことを口にするものだから・・・助手がここぞとばかりに攻勢に出て・・・結局フェリーの時間を遅らせてウスユキソウの群生地まで歩くことになった。強引にフェリーに乗れば後々までうるさい く言われることは目に見えている。ま、ウスユキソウとやらを見てやるか。

 バイクばかりでは汗をかかないからたまには歩くのも悪くは無い。ゆるい勾配がダラダラと続くので歩いているとけっこう疲れるが、 バイクと車乗り入れ自粛の林道を小一時間ほど歩くと視界が広がり、 またも美しい景色をゲットすることが出来た。峠の群生地付近にはタクシーが止まっていたし、歩き始めたころ乗用車とすれ違った。自粛とはあくまで自粛だろうか?。広いダートで、オフロード車なら簡単に登れる。時期外れならいいかもね。

 これがレブンウスユキソウ。西向きの法面に群生していたが、範囲はそれほど広くは無い。可憐な和製エーデルワイスである。これを見るために最果ての地に渡ったのか・・・こう思うとこの花が大変重要に思えてくるから不思議である。 どうして人は「ここにしかないもの」を珍重するのだろう。よく考えると面白いものだよね。

 助手はもちろんニコニコである。助手はやはり花が第一目的で北海道に来ているのである。私は非日常の景色の中でバイクに乗るのが目的だ。助手にとってバイクは手段に過ぎない・・・分かっていそうで分かっていなかった目的のズレにやっと気がついた。腕が上がったと信じ込んでいる写真を熱心に撮る姿でふと気がついたのである。

 フェリーの時間を見間違えていた。11時だと思っていたのは利尻島の時刻表で、礼文は13時05分だった。ところが山の上で10時だったので「それ、急いで降りろ!」ということになり、早足で帰り始めたのはいいのだが、助手がふざけてジョギングを始めた。ゆるいとはいえ下り道で走るというのは厳禁だが、案の定私を追い抜いた先でつまずき、見事に両手万歳の格好で (まるで子供みたいに)ブチこけた!。アバラにひびが入り、唇から血が流れた。怪我をしたのは可哀想だが、どうしようもないオッチョコチョイでもある。開いた口がふさがらないとはこのことだ。

 フェリー乗り場であったCBR野郎。24歳で4月からずっと日本縦断をしているという。沖縄から北海道までジグザグに走っているらしい。うーん、いいなぁ・・・、オレもやりたいよう。若いってことはいいねぇ。時間がタップリあるもんなぁ・・・。回り道を知らない人には無駄な時間に思えるかもしれないが、これが将来の糧になり、まさにその衝動が人生を動かしてゆくのだ。がんばれ、若造。

 帰りのフェリーでカモメに餌をやるオヤジ。一見楽しそうだが、こういう餌付けみたいなことをやるとカモメの本性が変わるそうな。つまり自然の体系を壊すことになるらしい・・・と船のパンフレットに書いてあった。このオヤジさんはそんなつもりも無く、ただ面白いからやっているだけなのだろうが、そんなことってこの世に多いよね。 気づかずに何かを壊してるってこと。

 宗谷岬は日本最北端。本州最北端より偉いのである。だからライダーの聖地ともなっている。こういうところではやはり証拠を残さねばならない。バイクも一緒に撮ればよかったかなぁ。 ・・・若いころは写真、特にこんな記念碑の前で写真撮ってるやつらを心の中で軽蔑していたものだがなあ・・・そういう意味ではこんな記念写真撮るようじゃ、私も落ちぶれたもんだ。

 238号線、宗谷→紋別間は230kmあった。宗谷を出発したのが16時ごろだったから、一路紋別に急いだ。左手にオホーツク海の広がる海岸通りを、夕暮れが近づいてきて沈 もうとする太陽と競争だ!。たまに鄙びた町がある程度で、後は「動物飛び出し注意!」の看板が所々に立つだけの道を一直線に走る。紋別に近づくにつれ、太陽が顔を出して暖かくなってきた。19:00ホテル着。ホテルの入り口で助手、ハンドルを切りすぎて転倒!。バイクを投げ出したので怪我無し。・・・ヤレヤレ、バイクが可哀想・・・。 自分の子供の頃に戻ったかのような鄙びた町に繰り出し、居酒屋で一杯。なんやかんやと食い漁り、ホテルの天然温泉に入り、寝る。

 

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