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第一回新潟蕎麦打ち大会詳細


その前日に、ワカサギ釣り・・・

 福島県に桧原湖という湖がある。今の時期湖は氷結しワカサギの穴釣りが楽しめるという柿の種情報に釣られた私とインク・・・。氷結した池の釣りは初めての私。反対にワカサギ釣り歴30年以上というインクは車中で自分で作ったという竿を見せびらかし、意気軒昂。喜多方市を通り裏磐梯に登る途中で、かの有名な喜多方ラーメンを食す。多店舗展開をしている店の喜多方ラーメンを旨いと思ったことはないが、ここの店は柿の種お勧めだけあってなかなか旨かった。

 喜多方ラーメンって麺が太いんだよね。ダシは煮干が主体と見た。

 さて、桧原湖に向かい12時に受付に行くと、ちょうど交代時間ということでこんなスノーモービルに乗って氷上に点在する釣り小屋に案内される。ちなみに何も道具が無いと半日(と言っても3時間半)で4200円(入漁良込み)で、釣りをしないとこのスノーモービルの送迎だけで一人2000円取られる。なかなか良い商売である。

 氷の厚さは5、60cmもあるらしい。なんと言っても−20℃の世界だからね。この時点の気温は−3℃、寒さを覚悟していたが、実はこのスノーモービルに乗っている時が一番寒かった。

 着いてみるとこんな具合・・・中でストーブが焚かれ、寒いどころか暑すぎるくらいで、我々はすぐに上着を脱ぐことになった。ううむ、これは氷上ワカサギ釣りとは趣が少し違う。少し違うが、確かに楽だ。これで釣れれば文句は無い。

こんな竿を使います

 ところがこれが・・・まったく釣れない。同じ小屋に子供も含めて10人ほど居たが、何分経とうと、何時間経とうと・・・唯一最初の説明の時指導員が釣った一匹のみで・・・まったく釣れない。プラスチックバケツに泳ぐその一匹を眺めながらインクママの差し出すアラレやら菓子を摘んで・・・何のことはない、汚らしい小屋でただ雑談をしているだけではないか!。

 

 12時過ぎから始めて実に二時間、ついに私の竿に一匹が引っ掛かった!!!。そしてそのあと柿の種にも一匹。そしてその直後私にもう一匹。・・・そして「次はオレだ!」と意気込むインクを無視して、僅かなワカサギの群れはどこかに行ってしまった。そしてこの3匹が本日午後のこの小屋の全釣果となった。魚釣りにおいて1匹と0匹の差は天と地ほどの違いがある。ボーズを食らったこの道三十年のベテランのインクの心境など、哀れすぎてここに書けるものではない。帰りにスノーモービルに乗った我々に、インストラクターが「また来てくださいねー!」と愛想よく手を振る。その彼にインクが「もう二度と来ねーよー、バカヤロー!」と叫んでいる。


 この日はインク夫妻と咲花温泉の佐取館に宿泊。一緒に宴会をして、柿の種は電車で新潟まで帰る。その翌朝、お気楽男sonetaが現われた。彼がOFF会に出席するのは本当に久し振りである。宮城県に土地を買っていずれそこに骨を埋める覚悟であるらしいが、チェンソーの給油口にオイルを入れたり、冬に植樹したりと、その奇奇怪怪な行動は昔とあんまり変わっていない。それでもこの笑顔を見るとホッとする。彼はこの旅館の隣の平左衛門の湯に入るのを目的にここに来たのだが、結局入れなかった。土日は客が多くて断られるようだ。そのまま5人で加茂の一風邸に向かう。

 今日は蕎麦打ち大会だ。皆が自前の蕎麦を打ち、腕を競い合おうという寸法だが、ま、早い話、ワイワイガヤガヤ、ああでもないこうでもないと騒ぎながら蕎麦を打ち、それを肴に酒を飲もうという・・・いわば宴会に近いOFF会と言ったほうが良いだろう。つまり蕎麦打ちをネタに物好きと酒飲みが集っただけのことである。一番先に打ったのがインク。一番手の蕎麦は、皆腹が減っているので美味いと感じるに違いないという読みの入った立候補であった。

 次いで長野からやってきたS氏。彼は今自分の畑で蕎麦と小麦粉を作り、それで蕎麦やパンを作っているという本格的な趣味人である。今回二八蕎麦を熱湯で練るという技を教えてくれた。蕎麦粉に熱湯を入れ、それを混ぜておいてからあとで小麦粉を入れるのが肝だ。時間を短縮できるのだそうだ。

 それぞれが打った蕎麦はこうやって皆の舌に乗る。麺が太いの細いの、腰があるのないの、喉越しがどうだこうだ・・・てんでに好きな評論をしながら食うのであるが、実際今回は一風の集めた粉が良質であることと「打ち立ての茹で立て」という3条件が揃っており、特段に不味い蕎麦など出来ようもないのであった。

 蕎麦打ちには欠かせないナベさんが3人目。私の師匠である。ナベさんはもう1000食以上も打っている大ベテランだが、やることなすこと全てに几帳面さを感じる。この蕎麦打ち台もナベさんが持参し、ウン万円もする蕎麦切り包丁も持っている。この写真の横に写っている美しい女性がけいさんと言って、パン焼きのセミプロだ。ちなみに右端に写っている汚いオヤジが猟師のインクである。一番飲みそうな顔をしているが、酒は一滴しか飲めない。

 突如、孫を抱く一風の写真。この笑顔は孫に対してのみ向けられる特別な、そしてとっておきの笑顔であって、この笑顔がそのまま我々に振りまかれることは一切無い。

 さて、この次が私の出番だ。今期は5回目くらいかな、打つのは。まあなんとかコツを掴んだみたいで、去年のような緊張感は無い。ただ、伸ばすのがけっこう苦手というか分からない。あと角出しさえ上手くいくとカッコいいのだが。もう少し熟練が必要だ。ナベさんの包丁はとても扱い良かった。欲しいなぁ・・・。

 かやのんちというヤツが・・・なかなかのヤツであることが最近分かってきた。とりあえず最初は控えめなので強烈なインパクトが無く、ただの大酒飲みぐらいにしか見えないのであるが、これがなかなかの曲者で、実にいろんなことに精通しているのだ。民謡、盆踊り、車、酒、女・・・蕎麦打ちもけっこう場数を踏んでいるようで手つきもなかなかのものだ。今回は自然薯を持参し、生意気にも自然薯蕎麦を打つという作戦に出た。

自然薯下ろし係りに任命された柿の種 左はりょうママ・・・一風のワンコつながり

 飲みながら蕎麦を打つかやのんち。本当に強い。今回は皆がかやのんちをなんとか酔い潰そうといろんな酒を持ち寄り、飲ませているのだが一向に酔いつぶれる気配すらない。自分は4合の酒を持参し、1升5合は飲んで帰るという合理性も持ち合わせている(笑)。帰りの電車で久し振りに酔いが回りましたなどと書き込んでいたが、怪しいものである。

 かやのんちの蕎麦は好評だった。私も食べたが、やはり自然薯が入ると喉越しが違う。以前ワラビを入れたら蕎麦の味が消えてしまったことがあったが、自然薯の場合は蕎麦の味もちゃんとする。いつもコレで作るのは勿体無いので自然薯ではなくトロロを入れれば良いだろう。そういえばトロロ入りの蕎麦は昔からあるなぁ。今回はコレを優勝としましょう。優勝景品は既飲の酒・・・ということで。

 さて問題はsonetaである。まさかsonetaが蕎麦を打つとは全然知らなかったし気がつかなかった。一風邸に来る前に車の中で「オレね、蕎麦打ったことあるんだよ・・・ま、三回か四回だけどね・・・」と告白したのである。なーんだ、打ったことあるのかよー、それじゃあやれよ!ってわけで最後にふのり(かやのんちが持参・・・かやのんちは何かを混ぜるのが好きなようだ)入りの蕎麦をsonetaが打つことになった。

 ほら、オレって、すごくいい加減だから・・・などといいながら蕎麦を打つsoneta。確かに恐ろしくいい加減である。いい加減と言うより、手つきにまったくセンスが感じられないと言ったほうが正確だろう。混ぜの意味も考えず、捏ねの要点を捉えることなく・・・手元も見ることなく、あっち向いてホイ!で蕎麦を捏ね回している。横で皆がアドバイスをしても聞く耳も持たず、ただひたすらにお気楽な笑顔と態度で蕎麦を打つsonetaに業を煮やし、かやのんちが交代を申し出る。かやのんちにしてみればせっかく持ってきたふのりがこのままではまともに味わえないという危機感からの交代の申し出だったろう。交代と言うより更迭である。

 その毒気に当てられたのか、sonetaのあとでは目立たないと思ったのか、今回一風はこね鉢の前に立たず、ひたすら飲みながら蕎麦湯で係に徹していた。一風も良く飲む。主に酒とビールだが、コレが一風の栄養源であるから仕方が無い。

 ふのり蕎麦を最後に切らせてもらっている柿の種。蕎麦打ちはみんながやっているので今更やるのは気が進まない・・・と言う。若い頃はテニスの選手でとてもモテたらしいが(確かに彼はハンサムかつフィジカルである)、その栄光から来るプライドが中年オヤジになっても抜け切れていないようだ。活二みたいになってしまう前にそのプライドを脱ぎ捨てる勇気があるかどうかが、今問われている(うるせーバカヤロー・・・活二)。

 いやぁ・・・楽しかったですね。やっぱ昼真っから酒飲んで騒ぐのは楽しいよ。私も実はいろいろ悩みもあるんだけど、みんなの笑顔を見ていると気が晴れます。特にsonetaを見ていると「ま、いいか、適当にいくか!」と思っちゃいます。ハハハ・・・。


 インク夫婦と一風邸に泊まらせてもらい、翌朝燕市のストックバスターズに寄ってから(来るたびに寄ってる!)寺泊港の市場に行く。狙いはマダラの白子とヤリイカである。先日上越の能生で買った白子が絶品で、それが−60℃で凍らせると殆ど味が変わらないことを知って、買いに来たのである。ダイレイの冷凍庫は絶対お勧めの冷凍庫だ。値段は少し高いが、最近買ったものの中ではダントツに役立っている。

 冬の日本海は寒くて暗いが、食い物は旨い。これが救いだ。タコとカニも買う。ついでにイクラも買ってしまう。買い出すときりが無いのは魚屋だけではない。最近少しモノを買いすぎである。反省・・・しなさいね、じょしゅさん。

 帰り道の妙高・・・来る時は前が見えないくらいのすごい雪が降っていて、30〜40分遅れてしまった。考えてみれば日本一の豪雪地帯だもんなぁこの辺りは。しかし昔は新潟なんて行こうとも行けるとも思わなかったけど、高速道路のお陰で半日で行けちゃう距離になった。嬉しいような、勿体無いような・・・実に奇妙な気分である。


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