映画の話 2005
今年の一月はまったく面白いものが無く、一度も映画館に行かなかった。だから家で、レンタルDVDを2、30本見たが、うち、面白いと思ったものは数本に過ぎない。
<2005年度観た映画> ※背景グリーンはレンタルDVDで観た作品です
題名 主演など 寸評
Ray ジェイミーフォックス 昨年死んだ盲目の天才レイチャールズの物語。I 've gotta women、what I sayからGeorgia on my mind、I can stop loving you などの名曲が次々と流れ、ジェイミーフォックスの名演技(彼も実に天才的である)とあいまって、まるでライブで聴いているかのような錯覚に陥る。大変感激する出来である。 NEVER LAND ジョニーディップ ピーターパンの原作を辿る1900年代初頭のイギリスの美しいドラマ。心がきれいで空想的な劇作家ジェームスバリと4人の男の子を持つ未亡人シルビア(ケイト ウインスレット)一家のふれあいは純粋で節度があり、だから気持ちのいい作品に仕上がっている。久しぶりに目頭が熱くなった映画でもある。 オペラ座の怪人 オペラが題材のミュージカルだから、ちょっとクドイ…かも。途中不覚にも寝てしまった。舞台だと違うんだろうなぁ。 サスペクト ゼロ アーロン エッカート ベン キングズレイ演ずるオライアンの行動を推理して、途中結末を予想したのだが、当たらなかった。絶対サイコだと思ったんだけどね…。このての映画は謎解きをしながら見るのが面白いので、つい見てしまう。 君に読む物語 10万組…いや、100万組に一組ぐらいの話ではあるが、これが世の恋人夫婦全ての理想の「愛の形」であるに違いない。こんな夫婦が続けられたらいいに決まっているが、実際はほとんどのカップルがどこかで喧嘩かなんかしておかしくなって失敗してしまうのだ。アッハッハ! 21グラム ショーン ペン ミスティックリバー同様、やるせない映画である。そしてやるせない映画にはショーンペンがよく似合う。何故よく似合うかというと、彼の顔と雰囲気がやるせないからである。 saw 見逃したので借りました。サイコモノとしてはまあまあの出来でした。ただ、セブンを上回るとは思えません。 national treasure ニコラスケイジ 知人が見て「あんまり・・・」と言っていたので敬遠していたのが、やはりニコラスケイジファンとしては見なければと思い、見たのだが・・・脚本が悪い!スリルを増すために悪役をあえて登場させているのが却ってこの映画を陳腐にしている。謎解き映画に専念させれば面白く仕上がっただろうに。ディズニー映画の悪いところだ。最後にハリーポッターの回る階段やらグーニーズのラビリンスが出てきて終了。 aviator レオナルド デカプリオ 映画の見方として、別世界の物語として見る見方と、自分の生活と重ね合わせて見る見方があるが、これは前者。伝説的なハワードヒューズの物語だが、見終わって「へ〜こんなヤツだったの」と思っただけでたいした感動は無かった。オレってデカプリオ嫌いかも知れん。 touching the void ペルーはアンデスのシウラ峰初登頂を描いたイギリス映画。入れ込んで見ていたら疲れ果ててしまった。いつも見ている映画とは一味も二味も違う、作り物でないスリルが味わえる。どちらにしてもタフな野郎たちだ。私なら5回ぐらい死んでいるだろう(笑)。映像もリアルで面白かった。邦題「運命を分けたザイル」 Hide and seek ダコタ ファニング Iアイアムサムやマイボディガードなどで主演しているダコタちゃんの演技はさすが。天才子役といっていいだろう。父親役のロバートデニーロも定番のやくざでなく、大学の心理学教授を演じている。ストーリ的に、もよくあるどんでん返しとはいえ、なかなか面白い。 CONSTANTINE キアヌ リーブス ううむ、最初は変化があって面白かったが少し尻つぼみ気味?オカルト映画だが、その割りにタバコ→肺ガンなんていう現実的な話が妙に心に残る…。最後に悪魔に肺ガンを摘出してもらうなんてストーリーには笑ってしまうよね。 shall we dance? リチャードギア 小さなギャグが一杯出てきて楽しかった。久しぶりにジェニファーロペスを見たが相変わらずフィジカルなヤツだ(笑)。最後のシーンなどを見ると、ダンスが好きで好きでしょうがないヤツが原作を書いたに違いない。総じて傑作である。 ベルンの奇跡 1954年ワールドカップ決勝リーグを戦うドイツ代表を背景に、敗戦国捕虜として11年ぶりに帰国した男の家族を描くドイツ映画。W杯優勝という事実に基づいた脚色だがうまくまとめられていて面白かった。 butterfly effect なかなか面白い映画でした。過去を変えられたら一体今の自分はどうなっていただろう・・・という誰もが持つ願望みたいなものがこの映画の発想だ。で、最後のシーンも意味深で、作品に広がりを与えている。ところで助手はこの映画がまったく理解できなかったと言っていた(笑) closer ジュリア ロバーツ イカレた四人組のチャランポランなお話。もう少しまともな映画だと思ったんだけどねー。少し面白かったのは男の嫉妬心、これは多分女性には理解しにくいかもしれない。 dangerous beautyU サンドラブロック もういかん、ジュリアロバーツだけでなくサンドラまでチャランポランになってしまった…。もうハリウッド映画はおしまいだ。一作目は面白く、サンドラブロックのファンになった私だが、この映画でファンではなくなった。妙な、しかも中途半端な誘拐劇をバックに詰まらない展開が続き・・・耐え切れず途中で寝てしまった。 Million Dollar Baby クリントイーストウッド ヒラリー スワンク
なかなか面白い映画だった。イーストウッドはハリウッド映画を救ってるなぁ。それにしても女ボクサーのマギー役のヒラリースワンクは面構えといい雰囲気といい、まったくのハマリ役だ。ストーリー仕立ても前半の華々しさとは打って変わった後半・・・そして胸が塞がるラストシーン。こんないい映画なのに、助手は途中一時間ほど横で熟睡していた。信じられん! THE FORGOTTEN ジュリアン ムーア 期待外れもはなはだしい!なにが「シックスセンス以来のスリラー」だ!ふざけるな!金返せ!スリラーにわけの分からん宇宙人を登場させるな!そのくせ宇宙人のぬいぐるみひとつ作らず、あほくさいCGだけで済まして・・・バカヤロー! HOSTAGE ブルースウイリス 上記のクソ映画の後だったので面白く感じた・・・かもね。撮影手法的にも緊迫感があり最初から最後までけっこう緊張してみていられる。しかし主役の家族が誘拐されて人質(hostage)になった場合、ほぼ100%の確率で最後には助かることが分かっているので、そういう意味ではマンネリである。 sahara お前ら一体何者や!沈船引き上げ屋とか医者じゃないのか!。そんなCIAも引くような国際犯罪に首を突っ込むな!・・・とも思うが、これが娯楽映画の娯楽映画たる所以。理屈はともかく眠たくなることはない映画ではある。 DANNY THE DOG ジェット リー 犬並みに育てられファイティングマシーンとして訓練されてきた男がピアノの旋律で人間性に目覚め、記憶を取り戻してゆくという設定だが、その過程をもう少しゆっくり描くべきである。結局アクション物か・・・と感じさせてしまうのは100分程度の作り方による。CGまで使った闘いのシーンはけっこう迫力がありましたがね。 WAR OF THE WORLDS トム クルーズ 珍しく封切りの日に観た。こういった映画は、あの往年の名作『猿の惑星』のラストシーンのように、最後に「どう決着をつけるか」で映画の質が問われるのであると思っているので期待していたが・・・ううむ、少し残念であった。まあ全体としてはうまくまとめられてはいるんだけどねー。スピルバーグ作品も最近少しキレが無いように感じる。 姑獲鳥の夏 あぁ、見るんじゃなかった。日本映画ってなんでこんなに暗いんだろう。理屈っぽくてじめじめした映像を見ているうちに気分が悪くなり、見たくなくなって寝てしまった。途中で出てくりゃ良かったよ。 ISLAND ちょっと期待して観たがストーリーが陳腐で、大して面白くなかった。SFなのかサスペンスなのかアクション映画なのか・・・金かけて作るんならハッキリ目的を持って作って欲しいものだ。 ヒットラー ドイツ映画だから、US製のようないい加減さは無い。ヒットラーと言うよりその周囲、取り巻きの人々の物語である。元秘書の証言によって作られていてそれなりに面白かった。それにしてもヒットラー役はまったく良く似たそっくりさんだった。 sin city ブルースウイリス 劇画をもとに作られた、ちょっと構成の変わった映画である。ただ、内容はエグイし、こういった映画に共通して、感動というものは無い。普通の映画に飽きたら、たまには観てもいいかな?って感じだな。 CINDERELLA MAN ラッセル クロウ レニーちゃんは古いアメリカの雰囲気を持っている。ブラドックって1930年代のヘビー級チャンピオンの実話だが、脚色されているとはいえ事実のほうが小説より面白いってのはちょっと問題があるね。それだけ創作の質が落ちてるってことだ。 Domino 実話で面白そうだったので観たが、撮影手法や音楽がサイケデリックで目が疲れ、耳が疲れ・・・途中で頭痛がし始め、やがて気を失ってしまった。このトニースコットという監督は自らの感覚に溺れ、落ち着きの無い映画を作ってしまったようだ。 三丁目の夕日 理屈ぬきに懐かしかった。白黒テレビに力道山が写るこの時代、この主人公の少年はまさに私と同年代だ。茶川龍之介がなかなかいい味出していたのと、笑いあり涙ありの展開で、帰りの遅かった(吉行)淳之介を叱る場面では不覚にも思わず目頭が熱くなってしまった。 THE BROTHERS GRIMM グリム童話の話だが、ちょっと期待していたが詰まらんかった…話にまとまりが無くチャランポランなのだ。 ELIZABETHTOWN たかが一足の靴のセールスが失敗して何百億ドルもの損害が出るのか?これはこの靴を企画した主人公の失敗ではなく、そんなものに大金を注ぎ込んだ経営者の失敗である。ま、それはいいが「感動モノ」を期待して観たが、つまらなかった。 MR. AND MRS. SMITH ブラッドピット
いまさらながらアンジェリーナジョリーって美人だなぁ…と思いました。それはともかくこの映画、ありえない出会いから始まってありえない展開をしてゆくのだが、しばらく見ていてこれは世の夫婦関係のパロディーなのだと分かった。最近のハリウッド映画の冴えないことといったらない。 キングコング ナオミ ワッツ マルホランドドライブのナオミワッツ、スクールオブロックのジャックブラック、戦場のピアニストのエイドリアンブロディー、トーマス・クレッチマンなどの配役で3時間超の大作になっているが、これは本来のキングコングという作品にジュラシックパークを合体させたためである。これでもか、これでもかという迫力あるCGはゴジラを連想させ、最後のシーンではあのタイタニックで海に沈んでゆくデカプリオとキングコングが重なっってしまった。キングコングをどうやって運んだのかという疑問が解けないまま映画が終わったが、ま、総体的にいいとこ取りの面白い映画と言えば言える。