映画の話 2004


 映画は映画館で観ないといけないことは分かっているが、つい見逃してしまったヤツは仕方がないからDVDレンタルで借りることになる。しかしよほど面白いものでないと、見ながら寝てしまったり、途中でイヤになって観るのをやめたりしてしまう。迫力、特に音が家庭と映画館では違いすぎるのだ。

<2004年度観た映画> グリーンはレンタルDVDで観た作品です

題名 主演など

寸評

ブル−ス オールマイティー ジムキャリー  きっと詰まらない映画だぞ・・・と思ってみたら、やはり詰まらなかった。設定やストーリーががあまりにも安易なのだ。しかし正月だったから重いものよりも、まず少し笑えるものを・・・と思って観たのである。
ラストサムライ トムクルーズ  渡辺 謙扮するサムライが、迫力ありました。私は時代劇があまり好きでないし、パールハーバーでも見られたように、アメリカ人の描く日本には失望することが多いので、あまり気が進まなかったのだが、観た人があまりにも「良かったよ!」というので観たのである。そしてなるほど、久しぶりに感動したのだ。何に感動したのかというと、サムライの散り際に感動したのである。人は病院で、寝たきりになって多くの人に迷惑をかけながら生きながらえていてはいけない。天命を全うして、さっさと死のう!・・・ではないか。
スパイゾルゲ    ソファーに寝っ転がってみてたら途中で何度も寝てしまった。全体に暗く、淡々としすぎているからである。
心のままに リチャードギァ  この映画はなかなか面白かった。ストーリーはさほどでもないが、リチャードギァの俳優としての持ち味が出ている。
タイムライン    説明5分でわけの分からないタイムマシンに入ってしまう考古学者たちはいったい勇気があるのか馬鹿なのか・・・。いきなり100年戦争の真っ只中に行き、端役が次々と死んでゆく・・・いや、こんな見方をしていたらイカンのであるが、それでも根が好きなのでタイムマシンものはつい見てしまう。
ニューヨーク最後の日々 アルパチーノ  歳をとった最近のアルパチーノを見るとどうしても落ちぶれたマフィア・・・を連想してしまう。そしてそんな雰囲気にぴったりの設定の映画であった。
マイビッグファットウエディング    私の心配事はただひとつ。この映画を見たギリシア人が暴動を起こさないか・・・ということである。
ミスティック リバー ショーンペン  やるせなさを背景に切なさと苦悶を塗り固めたセピア色の作品である。いじめられっこがそのまま大人になったようなティムロビンス(Gグラブ)も確かに印象深いが、私はショーンペンを初めて間近に見たような気がした。見終わった後の全体の印象が何かの映画に似ているなぁ・・・と思っていたが、それはあの「ダンサーインナダーク」であった。佳作である。
meet Joe black ブラッドピット  アンソニーポプキンス扮する社長を迎えに来た死神のブラピ・・・こんな設定で始まる映画だが、この二人の役者の雰囲気がとても良いのでこの映画は面白いのである。俳優の大切さがとても分かる作品である。邦題「ジョーブラックをよろしく」
tape    部屋で男二人が話しているだけのクソ映画である。DVDを超早回しにしてみたら途中から女が一人加わって終わった。むろん劇場公開もされてない。借りてはいけない。
着信あり    さして怖くも無く、さりとて動機や意味もいまいち曖昧なクソ映画であった。強いて言えば「オメーら、携帯ばっかやってんじゃネー」というメッセージが裏にあるのかも。
ホームアローンV    徹底的に馬鹿馬鹿しさを追求しているところが面白い。もっともっと馬鹿馬鹿しい映画に発展することを祈る。
半落ち 寺尾 聡  なぜか助手が一人で観に行って「面白かった」と言ったので、3人で観てきたのである。しかし最後の実刑判決の意味が助手には分かっていなかった・・・ということが後日判明。ココがキモなのにね。
シービスケット トビーマクガイア  ’30年代の大恐慌時代のアメリカが舞台の映画。シービスケットという暴れ馬が主役だ。実話で、当時全米を沸かせたこの馬の活躍が、暗い時代に輝いていた・・・ということらしいが、今コレを見て大変感動する・・・ということは無い。
unsaid  アンディ・ガルシア  沈黙の行方・・・とかいう邦題がついている。幼児虐待、自殺、近親相姦・・・などというテーマが次々と出てくるサスペンスだが、フムフム・・・と納得して観てしまう自分が怖い気もする。
dream catcher    スティーブンキング原作。だいたい一般的に彼の作品にはメッセージというものがほとんど無く、ただなんとなく気味の悪い、グロテスクさが身上である。 
deep end of the ocean    この映画のストーリー設定は大変興味深い。親子関係というものの深層に迫るなかなかの作品だと思う。自分なら一体どう思うか・・・それぞれの立場が良く分かるから・・・考えさせられてしまうのである。
ロードオブザリングV イライジャ ウッド  第三篇、いよいよ最終章だ。冒頭鮭をミミズで釣るという、アングラーにとっては唖然とするような設定がしてあって、肝を冷やしたが、日本の古事記だか日本書紀だかにも女神が米粒で鮎を釣ったという記述があるので・・・神話時代の話だから「ま、いいか!」と思い観始めたのである。最後の最後まで面白く、三時間半はアッという間にすぎた。
boys on the side ウーピィ ゴールドバーグ  なかなかの佳作でした。黒人シンガーのレスビアンと尻軽女のヤクの売人の妻とエイズ患者の三人が繰り広げるドライでアメリカンな仕種に思わず笑ってしまう。ウーピィ ゴールドバーグの歌と個性が光っている。男は完全な脇役である。
moon light mile ダスティン ホフマン  結婚直前の娘を亡くした夫婦とその婚約者の話。シリアスでやや暗い映画だが、ストーリーとしてはまあまあの出来だ。最後のシーンで出てくるダスティンホフマンの笑顔は、35年前の「卒業」のラストシーンを髣髴とさせ・・・懐かしさがこみ上げた。
ゴシカ ハル ベリー  自分の夫があれほど性癖にギャップがあるということに、日常生活の中でで主人公はまったく気が付かなかったのだろうか、という気もする。ペネロペクルスは今回脇役。
マスターアンドコマンダー ラッセル クロウ  ジョンレノンが死に、ジョージハリソンが死に、ダイアナ王妃が死に・・・英国に残されたのは過去の栄光だけかも。私の好きな海洋モノだが、いまいちストーリーにまとまりが無かった。
ペイチェック ベン アフレック  多額の報酬の代わりに3年間の記憶が消される・・・こんな設定は良かったのだが、途中から支離滅裂、もう少し考えて上手に作ったらどうだ・・・。それにしても大勢の敵の撃つ拳銃の弾がひとつも当たらず、かすり傷ひとつないのは何故だ!。
シェイド スチュワート タウンゼント  カード詐欺の話。まとまりが良くてなかなか面白かったです。最後に誰かが騙されているはずだと思っていたらやっぱり・・・。シルベスタ・スタローンがなかなかイカサマ師に見えなくて困った。
24H キーファー サザーランド  同時進行(画面と実際の時間が同じ…ただしコマーシャル時間があるので1話45分程度)で作られたアメリカの人気連続TVドラマ。初の黒人大統領候補(デニス ヘイスバート)暗殺計画をベースに誘拐、情報の交錯、裏切り・・・などさまざまなシチュエーションで話が展開してゆく。2時間を基本とした映画より緊張して、つい次々と連続して見てしまう。
タイムリミット デンゼルワシントン  えらいおおっぴらに堂々と不倫してるやないか、さすがアメリカやなぁ・・・と思って見ていたら、案の定デンゼルワシントンがボコボコに裏切られて・・・今まで見た不倫映画の中で一番エライ目に会ってしまう。おお怖い怖い。主人公になりきって観ると、けっこうドキドキしまっせ!
コールドマウンテン 二コール キッドマン  南北戦争の時代。女が女らしく、男も男らしく、しかも女性がまだ男性を求めていた時代の話である。こんな時代でないとこんな話は成立しない。純愛ストーリーかと思ってみたが、そうではなく戦争映画である。レニーセルヴィガーがいい味出してました。
パッション ジム・カヴィーゼル  キリストの受難を描いたということだが、全編血みどろに塗りつぶされた作品である。これでもか!これでもか!という具合に延々と続く虐待シーンの意味は…隠れキリシタンである助手が「ひと鞭ごとに人間の罪を贖っているのである」と、珍しくまともな解説を聞かせてくれた。メルギブソン監督。
school of rock ジャック・ブラック  どこかのロック好きが作った映画である。ストーリーはともかく、頭を使って観る映画ではないので音楽が好きでさえあればそれなりに楽しめる。
13日の金曜日Z    昔売れた芸人が20年たっても同じ芸で観客を沸かせようとしているのを見ると一抹の寂しさを感じる・・・これがこの映画に当てはまる。ベッドでいちゃつくカップルがどうなるかが分かっているのでまったく怖くない・・・どころか、なぜか喜劇的でさえある。
ファイトクラブ エドワードノートン  この映画、アイデンティーの前に作られているのだが、発想が良く似ている。エドワードノートンとブラッドピットの競演でなかなか面白い映画である。
ハリーポッター秘密の部屋    前作が面白くなかったので映画を見なかったが、どんな出来具合だろうと気になってビデオを借りてきた。しかし前作以上に詰まらない出来で、途中で寝てしまった。
The day after tomorrow

デニス クエイド

 迫力の竜巻に大津波・・・こういう映画は大好きだ。絶対映画館で観るべし。ただしストーリーは相も変らぬ親子の愛が中心で、おまけにとってつけたようなオオカミ事件・・・急に静まってしまうハリケーン・・・ま、いいか。
トロイ ブラットピット  原作はホメロスの抒情詩イリアス。ブラピ演ずる戦士アキレス。『アキレスの母テティスは、我が子を不死の体にするために、冥府のステュクス川に浸したが、つかんでいた踵の部分だけが水に浸らなかったために、その部分だけが無敵の戦士と恐れられたアキレスの弱点となったとされている。そして、そこを矢で射抜かれて命を落としたアキレスの名を取って、その踵の部分は「アキレス腱」と呼ばれている』ということである・・・勉強になりますね。
海猿 伊藤英明  原作は人気漫画なんだってね!主人公の伊藤英明って出身が岐阜市なんだってね!あんなに急に潮流が激しくなる海域で訓練するのは間違っているぞ・・・ハハハ。
白いカラス アンソニーホプキンズ  原題「The human stain(心の傷)」。そりゃ相手が二コールキッドマンなら頑張るわなぁ…私見ではもっとラブシーンをドロドロと取り入れたほうが良かったような気がする。描写があまりにも淡々としすぎているのだ。
ウォルター少年の夏の休日 ハーレー・オズモンド

ロバート・デュヴァル

マイケル・ケイン

 素晴らしい映画だった。私もこんな二人(ハブとガース)のような人生を送れたら最高だ。嘘ばっかりつく母親に育てられたウォルター少年は二人の老人の昔話に懐疑心を抱き、尋ねる。「その話、嘘じゃないよね?」ハブは答える「嘘か本当かは大した問題じゃない、大事なのはお前が信じるか信じないかだよ」うーん、素晴らしい言葉だ。ただ、観客は我々を含めて4人・・・何故?
モナリザスマイル ジュリアロバーツ  私の生まれたころの時代の話だ。女性の保守(体制)と自己変革(改革)をテーマにジュリアロバーツが存在感のある演技をしている。それにしても学生と先生の関係が日本とは大違い。そんなところが面白かった。
華氏911    ブッシュがイラク戦争に突き進んでいった過程をメインテーマにした暴露映画。推測は多分そんなに間違っていないだろう。しかしTV映像などを多用しているため、画質が荒く映画館で観ると目が疲れる。むしろ家庭で見たほうが観やすいかも。
taking lives アンジェリーナ・ジョリー  24Hの主役のキーファーサザーランドが情けないほどのチョイ役でした。緊迫感があってまぁまぁの出来ですが、もうひとひねり欲しかったですねー。たとえば犯人は双子の兄のほうだった…とか途中で予想したんだけど…。
the village    森に対する異様な恐怖を背景に物語りは進んでゆく。私は最初から『何故この村が出来たんだろうか…』を推理していたが。結果的にはこの推測がこの映画の核であった。ストーリーには筋が通っていて面白かった。エイドリアンブロディーって戦場のピアニスト?なかなか幅広い演技だよね。
アイ ロボット

ウイル スミス

 なかなかストーリーが考えられていて、面白かった。最後のウインクなんかバッチリ決まっていましたね。それと最後の会話。『感じた?』『コイツ(ロボットのサニー)がか?』『いえ、あなたがよ!』…この会話が最高に良かったから、後味も良かったわけです。
アバウト シュミット ジャック ニコルソン  人は何のために生きているのか。生きがいってのは一体何だろう。こんなことを考えさせてくれる映画だった。淡々とした展開だがついつい引き込まれて観てしまうのは、定年男を演じるジャックニコルソンの演技力によるものだろう。
イージーライダー ピーターフォンダ  昔見た映画を2本借りてきた。この映画とマッドマックスだ。どちらもバイクが登場するので改めて見たくなったのだ。しかし昔見た時に受けた印象とはまったく違っていた。当たり前か…。
バイオハザードU ミラ ジョヴォビッチ  前作より迫力がありそれなりに楽しみました。映画館の音がでか過ぎで、心臓に悪い。途中一番緊迫する場面で助手は『トイレに行ってくる』と言って逃げ出してしまった。なんとなく金のかかった娯楽映画…そんな感じである。
ドッグヴィル 二コールキッドマン  この映画は二コールキッドマンに主役を依頼したため(ギャラが高すぎて)制作費がなくなってしまったのであろう。ちゃんとした映画が見たい人は見ないほうがいいし、演劇を学んでいる人や明日が学芸会という人は見たほうがいい。
クライモリ    スティーブンキングがまたやらかしてくれました…。おまけに最後に主人公カップルが助かるという100年前からのお決まりまで付いていました。何でもいいから気持ち悪い映画が見たいという人は見ておいで。
インザカット メグ ライアン  見てなかったので新作で借りてみたが、なんという中途半端な作りなのだろう…。メグライアンのラブシーンも魅力的でないし、ストーリーも説得力が無く、詰まらない映画だった。
エクソシスト ビギニング    いやあ・・・やっぱり見なきゃ良かった。オリジナルが面白かったせいで、これで駄作を2本見せられたわけだ。ストーリーにも説得力がまったく無い。
シークレットウインドウ ジョニーディップ  スティーブンキングとしてはまあまあだったんじゃないですか?終わってみればよくあるパターンなんだけど、なにしろスティーブンキングさんですからねぇ。違った意味で(どうやって終わるんだろう、と)はらはらしていたのでした(笑)。
砂と霧の家 ジェニファー コネリー  ベン キングスレーの名演技に、つい久しぶりに目頭が熱くなった。本国では名誉ある軍人だった男が移住してきたアメリカで必死に這い上がろうとしている。かたや亭主に逃げられて人生に疲れた女が父の遺産である家に住んでいる。この家を巡る争いと人間関係、そして起こる悲劇、そして男が選んだ最善の道・・・。とくに最後が心に残る映画である。
コラテラル ジェイミーフォックス  トムクルーズの映画のように言われているがこの映画はタクシードライバー役のジェイミーフォックスが主役である。アクション映画ではないけれど印象が生々しく迫力を感じるのは撮影手法による。近撮・・・最初から最後までクローズ撮影をしているからだ。
ポーラーエクスプレス トムハンクス  パフォーマンス・キャプチャーという技術が使われていて、まったくリアルなアニメーションである。見るのも楽しいが、こんな映画を作り上げていけたら、そちらのほうがもっと楽しいだろうなぁ。リアリティーとファンタジーが競い合う、「映画館で」観るべき映画である。
血と骨 ビートたけし  在日朝鮮人の金俊平の物語ということだが、はっきり言ってピンとこなかった。人物を描きたいのか時代(背景)を描きたいのか・・・どちらにせよ雰囲気は暗く、主人公は粗暴で守銭奴で魅力も無 く、ストーリー的に感動も無い話なので、関わった人以外はあまり感慨も無いかも。 しかし映像としてはいろいろなシーンが記憶に焼きついて残っているのは、同時代を生きた体験からであろう。
ターミナル トムハンクス  う〜ん、期待以下でした…。日本で公開されなかった「レディーキラー」同様、トムハンクスの映画は(彼が駆け出しの頃の映画みたいに)喜劇っぽくなると途端にレベルが下がるような気がする。ヒューマンドラマであるかのようなことが予告に出ていたが、これはどちらかというと喜劇に属すると思う。
man on fire デンゼル ワシントン  邦題「マイボディーガード」。この映画はなかなかよく出来ていると思う。類似事件を題材に描かれたようだが、最初静かに始まって後半の復讐劇は痛快さを通り過ぎてハラハラする。ただ、他国の悪を米国が成敗してやる…というアメリカ的覇権主義がここでも顔をのぞかせていると感じたのは、私だけか?

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