平成シェイプアップ事情 


 3月(2002年)のある日、初級エアロビクスのインストラクターのネェチャンが我々生徒を見渡しながら

 『エアロビ始めて痩せた人!』と手を上げるように言った。誰も手を上げない。

 『じゃぁ、変わらない人!』と再び聞いた。パラパラと手が挙がる・・・。

 『そうよねぇ、なかなか痩せるって大変なのよねぇ・・・、でも、今の体型を維持するってことはじつはけっこう大変なことなんですよ・・・それにエアロビやろうって人を見てると、日本じゃ実際太った人があんまりいないんですよね・・・

 このインストラクターの一言に、内心私が狂喜していたのは、周りの誰も気がついていなかった。

 (そうか・・・オレは太っていないんだ・・・オレは、オレはもうデブじゃないんだ・・・)

 私はその後、気分良く汗を流し、プールに向かった。鏡で見ても、確かに以前とは別人のように腹がぺッタンコである。あのゾウアザラシのような、自分の映った鏡をぶち壊したくなるような体型が、そういえば、ずいぶん変わってきたのが分かる。

 (やれば出来るんだ・・・) 私は感慨に耽り、体重計に乗る。正月に84kgを超えていた体重が、今見ると79.4kgまで落ちている。あぁ、なんて素晴らしいことだろう。やればやっただけ返ってくるということが少なくなっているこの世の中で、自分の体を鍛えるという一番身近なことが、まさに忠実にそれを具現化してくれた。体調も今まで生きてきた中で、一番の出来である。

 こんな美味しい山菜があるんですよ・・・。こんな美味しいキノコも生えているんですよ・・・。この私のHPは自分が好きでやってることを、皆さんにも分かって欲しくて、大袈裟に言えば喜びを分かち合いたいという気持ちが嵩じて書き始めたものである。だから私はここに、同じ気持ちで、スポーツクラブの話を書くのである。


まず酒とタバコを止めるべし


 タバコを止めたいきさつなどは禁煙日記にも書いてあるので省くが、実際この禁煙というヤツがもたらした影響というのは、ただ単に体に悪いものを止めた・・・ということだけでなく、生活そのものを根幹から変えてしまうほどの影響をもたらした。

 タバコを止めて半年間で、私は4kg近く太った。コレは誰もが経験する、ある意味では仕方の無い現象である。太って健康に悪いからまたタバコを吸い始めたなんて笑えない実話もあるが、食べ物が美味しくなって、ついつい食べてしまうのだ。だから太る。何もタバコを止めたからばかりではなく、歳をとるということは、だんだん新陳代謝が悪くなってくるということだから、食べるだけ食べて、運動も何もしないでいれば、ほぼ確実に太っていく。体に脂肪が巻けば巻くほど、体を動かすのが億劫になり、筋肉はますます衰え、脂肪がますます増え、基礎代謝が減っていく。まずはこの悪循環を断ち切らねばならないのである。

 私は1月の中旬から、スポーツクラブに通い始めた。スポーツクラブ自体はもう7年程前に入会し、主に秋から冬にかけて、スキーでバテない体力を作るという目的でやってはいたが、あまり熱心ではなく、おまけに春になって山菜採りがはじまる頃になるとすっかり止めてしまう・・・という程度のものであった。ところが今回は違った。なにが違ったかというと、三つのことが違った。

  •  昨年秋の健康診断で『脂肪肝の疑いあり』と初めて言われ、酒をやめたこと。

  •  タバコを止めたため長い時間スポーツクラブにいられるようになったこと。

  •  『オレは絶対にやらんぞ!』と言っていたエアロビクスを始めたこと。

 この三つの条件がまさに絶妙に絡み合い、私の新しい喜びの発見に繋がったのである。禁煙については禁煙日記に書いてあるのでここでは書かないが、健康に良いのは当たり前の話だ。

 酒はもともとそんなに強いほうではないが、嫌いではなかった。特に夏にビールは欠かせない。自分の作った歌に『 ビールのうまい季節になった フライドチキンで一杯やるか FAT MAN !』というのがあるが(ついでに書くとFAT MAN !のフレーズはあのBAT MAN のパクリであるが)、バクバクグビグビ・・・ムシャムシャゴクゴク・・・良く呑み、良く食った。そういえば昔、体重が85kgの時があった。それが私の体重記録である。その時はプロテインで減量を図った。三日間朝昼晩とプロテインを溶かしたミルクとなにやらいかがわしい錠剤を一緒に飲んで、しかしなんとその時は6kgの減量に成功した。三日間で6kgとは大変な減量だと思うが、今考えると単純な水太りというか、単に胃袋が大きくなっていただけだったんだろうと思う。こんなに簡単に痩せられるなら、もう何も心配することはない。ちょっと太ってきたらまたやればいいんだから・・・とうわけでその時は翌日から元の木阿弥になってしまった。

 それはさておき、不思議なことに、ビールを飲まなくなったら、脂っこいものが余り食えなくなった。焼肉など、ウーロン茶だけだと余り入っていかない。そして当然つまみ系の高カロリーな食べ物を摂らなくなった。おまけに弟子が買ってきた本の中に「低インシュリンダイエット」なる記事があって、そこに書いてあることをよく読み、ある程度実行し始めた。今をときめくダイエット法だが、先日同じスポーツクラブに通っているマッチョマンに聞いたら、30年前からの常識であるらしい。血糖値を上げる食べ物をなるべく摂らないようにすることと、摂る場合はその前にヨーグルトなどを飲んでおくといい・・・など、簡単なことからはじめてみた。

 次にエアロビクスを生まれて始めてやったこと。これも私にとっては革命的な出来事であった。だいたいトレーニングなんてものは真面目なヤツが求道的精神を持ってやらねば続かないものなのだ。つまり、ステップマシンでもウォーキングマシンでも一人きりで毎日1時間づつやれといわれても、なかなか出来るものではない。たとえば自宅にマシンを置いて毎日やろうと決めても一週間が限度だろう。ところが「仲間」がいると、それが出来るようになってくるから不思議だ。

 エアロビクスは究極の盆踊りだ。先生(インストラクター)の動きに合わせてそれを真似して、通常45分間、動き、踊り続ける。・・・私はついこの間までエアロビクスなどというものは日本男児のすることではないと思っていた。つまり、はっきり言えばやるのが恥かしかった。しかし人間というものは妙な先入観やらいい訳で「食わず嫌い」になっていることがよくある、ということが、エアロビクスを始めてよく分かった。人がやっていることは、やはりどこか面白いからやっているのであって、何もやらずにあれこれ「やらない言い訳」をするのはやはり良くない。

 「かんたんビクス」というのから始めた。サイドステップだとかVステップだとか、エアロビクスの基本的な動きを覚えるのである。フムフム・・・何とかやれそうではないか・・・。同じ週に「初級エアロ」もあったので参加してみる。8ビートの音楽に乗って・・・おお、なかなか楽しいじゃないか!体を動かして30分もしてくると、汗が出てきた。最初の頃は、45分でヘロヘロ・・・(笑)。でもとてもスッキリして、それまでの筋トレとプールだけの時と比べると、体がずいぶん軽くなった気分だ。始める前の「恥かしい」という気持ちは、すぐにどこかに飛んでいった。誰もが自分のことに一生懸命で、他人のことなど見ていない。少し恥かしいのは、間違えて皆と違う動きをした時ぐらいだが、その恥かしさは逆に完璧にやれた時の満足感に変わる、つまり、乗り越えられる恥かしさだ。しばらく続けると、だんだんエアロビの何たるかが分かってくる。体の各所の筋肉をバランスよく鍛えるための、なかなか考えられたスポーツである。

 そんなこんなで、私はエアロビクスにハマッた。もっと言えば楽しく汗を流すことにハマッたのだ。私はどちらかというと、昔から体を使うことの嫌いな人間であった。もちろんろくにスポーツもやったことが無いし、体を使うといえば山菜やキノコ採りで山を駆けずり回るくらいだ。そんな私が自分でも信じられないような状況になってきた。ダラダラと酒を飲み、タバコを吸い、ごろごろしていたヤツが、酒もタバコも止め、運動をして汗を流すようになったのである。これを変革と言わずになんと言うのか。そう、私がハマッたのは、自己変革の快感にハマッたと言ってよい。前にも書いたが、体調は今まで生きてきた中で、一番良い。階段ひとつ登っても、体が軽くなってきたのが分かる。エアロビの部屋は鏡張りである。自分の体型がはっきりと、否応無く映し出される仕掛けになっている。これを見せられながら、だんだんと腹のあたりのブヨブヨがすっきりしてくるのを感じた時、一種の感激が自分の心に湧く。自分の努力が報われつつあるのを感じること・・・これが何にも変えがたいことなのである。


痩せるということとシェイプアップは違う!


 シェイプアップの先生を気取るつもりは毛頭無いが、ちょっと書いておこう。近年ダイエットが流行っている。とくに成人病の増加や、単に見かけだけの問題で、とにかく体重を減らし、痩せることに気を使う人が多い。そして痩せるためのダイエット食、薬、器械などあらゆるものが市場に氾濫している。器械など、体に巻いて電気刺激を与えて、それだけで腹筋100回やったのと同じ効果があるかのように最近良くTVで宣伝しているものもあるし、飲むだけで痩せられるジュース(下剤入りと考えれば良い)もよく宣伝されている。しかしこんなものはそもそも本当のシェイプアップにはなりえない。シェイプアップとは筋肉を増やし、脂肪を燃焼させることだからだ。それをするには運動して汗をかくしかないのである。だから、痩せるジュースを飲んで電気マッサージをしても、確かに体重は減るかもしれないが、その分筋肉が減ることになり、むしろ逆効果なのである。体重を減らしたかったら、筋肉を鍛え、自身の基礎代謝量を増やすしかないということだ。食事とか、薬はあくまでも補助的に用いるべきもので、それ自体が主体にはなりきらないのである。

 また、シェイプアップは筋肉を作るといっても、ボディビルとも違う。ボディビルはありゃまた別物である。鍛え抜かれたマッチョマンの肉体は確かにカッコイイが、あの肉体を作り上げ、維持してゆくには並大抵の鍛錬では出来ぬ。当然それに伴う強靭な意志と費やす時間も必要である。彼らは毎日ジムに通う。そして2時間も3時間も黙々とトレーニングするのである。それらに費やされる忍耐と時間の報酬があの見事な肉体なのである。それに、K1のアンディフグが白血病で倒れたのは、筋肉トレーニングの補助に使う薬物の副作用であったらしいし、名前は忘れたが、日本人でも先日マッチョマンが肉体の限界に挑み、死んでしまった。体脂肪率数パーセントという、何かあったら死んでしまうような極限の状況を彼らは作り出す。ここまで行くともう健康志向のシェイプアップとは全く別物だということが分かるだろう。

 人間、いつかは死ぬ。それが運命だ。だから私は体を鍛える。死ぬのが怖いわけじゃない。むしろいつ死んでもいいと思っている(痛いのは嫌だけどね〜)。しかし死ぬまでは元気でいたい。逆説的に言うと、もし人間が死なないものであったら・・・体鍛えてもしょうがないような気もするよね。

 ちなみに今日の私の体重は78.8キロであった(2002/5/9時点)。


私のメニュー


 まずスポーツクラブに着くと、着替えて軽くストレッチをする。このストレッチと言うのがなかなか大切なことらしい。エアロビでも運動の前後に必ず何回かのストレッチが入る。筋肉を使えば使うほど「伸ばす」ことが必要なのだ。コレをやらないと筋を痛めたりするのである。

 で、まず筋トレマシンを一通りこなす。それぞれのマシンによって体のそれぞれの筋肉が鍛わるように出来ているのだが、やり方をしっかり知っておかないと、本来の筋肉が鍛わらない。かく言う私もいわゆる「楽をして」やっていたので何度も注意を受けている。要は、どの筋肉に効いているのかをちゃんと分かって、なおかつ実感しながらやらないと意味が無いということである。これをやり始めた頃はムキになって重い重量を上げたりもしていたが、コレも良くない。最近の私は次のようにしている。どの器械も

  • まず30kg前後で15回〜20回。ゆっくり効かせながらやる。

  • 次に40Kg前後で10回

 このふた周りをやり、その間に腹筋を100回。もちろん休みながらだが、以前はこんなに出来なかった。腹筋も膝を立てて上半身を上まで持ち上げる・・・というやり方をやっていたが、先日マッチョマンに聞いたら、腰が悪い人はやらないほうが良い(逆に足を上げるやり方もあるが、こちらはもっと悪い)ということで、肩だけを持ち上げるやり方に変えている。コレはコレでけっこう痛いから、実際はこの方が効くのかもしれない。

 次にエアロビがあればやる。適当なエクササイズが無ければ、ウォーキングマシンで汗を流す。やり方は次のようにしている。

  • 3分歩き(6km/h前後のスピード)

  • 2分ジョギング(9km/h前後)

  • この繰り返しを6回〜8回(30〜40分)

  • 最後の5分はクールダウンでゆっくり

 と、こんな感じである。15分もすると汗が吹き出してくる。30分を経過するともう汗だくで、汗かき量はエアロビとそんなに変わらない。

 汗をかいてから、プールで泳ぐ。距離は250メートルから300メートルである。最初はクロールで50m。次にビート板で25m行き、帰りはクロール・・・コレを2回。ビート板のバタ足25m(コレが一番疲れる。)後は平泳ぎとかクロールだが、最近は最後にクロールのダッシュを入れている。コレで一気に疲れ、そのままジャグジーバスに一直線だ。風呂から上がり、シャワーを浴び、体重計に乗る。フムフム・・・79.2kか・・・とか言いながらね(笑)。

 とにかく終わったあとの爽快感は何にも変えがたいものがある。冬でも体はポカポカ・・・体と頭の芯がすっきりして明瞭である。アァ・・・気持ちイイ!!!。以前はここでビールを飲んでいたが、その楽しみは無くなった。無くなったが、ビール腹ともおさらばだ。もう以前には戻らないぞ!。



その他いろいろ

 

 実際身体を動かすということがこんなにも素晴らしいことだとは、最近になってやっと実感できたことである。動かすことに身体が慣れないうちは、内心では(けっこうしんどいから)我慢して続けている…という認識がある。3日ボウズとはよく言ったもので、3日と言わないまでも、3週間、3ヶ月でもいいが、要するに途中で投げ出してしまうのは、心の中に身体を動かす喜びがまだ湧いていないからである。それが湧いてくるには、けっこういろんな要因がある。
 「体重変化」・・・・・・コレは現実味としては一番の要因だ。太っているヤツで、それをイヤだと思っている人間なら、自分の体重が減少してくればそれが喜びとなる。しかしこれはなかなか大変で、私自身を見ても、またいろいろ話を他人に聞いてみても、端的に言って「すぐに痩せる」のは至難の業である。水ぶとりや太りすぎの人は最初のころ体重減少が多く、いかにも効果があったように思えるが(実際効果があったとは言えるが)、筋肉がカロリ−を消化する…いわゆる代謝のいい身体になったかと言うと、そうではなく、そうなるまでの道のりがけっこう長いのである。つまり、食べても太らない身体を作ってゆくにはやはり何ヶ月も掛かり、ましてやそれを維持してゆくのは永遠の課題なのだ。精神的に喜びを感じるまでに、やめてしまうと、何も得られない。逆にそれが分かってくると、本当の喜びが湧いてくる…。
 「周りの同好者」・・・・・・コレがけっこう大切なファクターである。いつもエアロビ教室でレッスンをを受けている人と話をしたりすることも大切なことである。自分が思っていることを人も同じように思っているのだということを知るだけでも価値がある。これは何もエアロビに限ったことじゃないけど、何事も仲間がいて続けられる。孤高を保っている人もいるけれど、それはまた別の楽しみだと理解したほうがいいだろう。普通はワイワイ言ってたほうが長続きするものだ。
 「環境」・・・・・・・通うスポーツクラブのポリシーも重要だと思う。ポリシーは従業員の、いわゆる客あしらいにも響いてくるからである。ファミリーレストランで良くある「いらっしゃいませ、○○にようこそ!」という文句も心がこもっていなくて返って白々しい思いを抱く場合があるように、こういった装置産業では従業員の教育は大切である。それに最初オープン時は愛想が良かったものの、次第にその人の地が現れてきて客に不快な思いをさせることもある。これも逆に、人材の揃ったスポーツクラブに当たると、通うこと自体が楽しみになり、長続きするのである。


 シャワーの浴び方についてひとつ書いておきたい。
 唐突ではあるが、以下が「正しいシャワーの浴び方」である。 
  1. まず身体と手拭に湯をかける
  2. シャワーを止める
  3. 身体を洗う
  4. 身体を洗い流しながら頭にも湯を掛ける
  5. シャワーを止める
  6. 頭を洗う
  7. シャワーで流す
  8. ついでにまわりにも水を掛け(後の人のために)簡単に洗い流しておく
  9. 身体を拭いて、出る
 当たり前のようだが、見ていると98パーセントぐらいの人が、シャワーを最初から最後まで出しっぱなしにしているようだ。日本では水に対する価値観が低過ぎる。無駄遣いは控えよう。
 そんなこんなで今私は8ヶ月目を終了した。夜はシーバス釣りでこれから忙しくなるのが難点だが、やはりスポーツジムは最低週に3日は続けていきたいと思っている。


その他いろいろU

 2002年11月に健康診断があった。自信満々で望んだ人間ドッグだったが、結果を見て愕然!・・・昨年とほとんど結果(数値)が変っていない。たとえば良性コレステロールの数値は昨年度とほとんど変らず、ご丁寧に「タバコを吸っている人は禁煙しましょう。運動をもっとしてください」と書いてある。酒もタバコも止め、トレーニングにいそしんできた一年間は一体なんだったのか・・・。さすがに結果を見た当日は落ち込んだ。しかしその後、こう考えた。「もし、トレーニングをやっていなかったらどうだったろうか?」恐らく検査結果は今よりもっと悪いものになっていただろう・・・。そう考えると少し落ち着いた。それにこういったことの結果が出るのは案外もっと後なのかもしれない。
 どちらにせよ、それ以後はさらにジムに行く回数が増えた。週3回ペースだったのが今、5日は行っている。魚釣りなどがシーズンオフになったこともあるが、逆に「行かないとなんとなく落ち着かない」状態になっている。体が求め始めているのだ。

その他いろいろV


 2003年12月・・・今私の体重は76kg台である。75kgが一応の目標だったから、ずいぶん近づいてきた。ちなみに90cmを軽く超えていたウエストも85cmのズボンがすんなりはけるようになっている。 と言ってジムに行く回数が増えているわけではなく、むしろ最近減っている。以前は週4日だったのが、この2ヶ月は半分の週2日である。夜忙しいこともあるが、現状維持にはこの程度で良いのである。ただし腹筋はこまめに家でやっているし、筋トレも上半身はポツポツやっている。たまにしばらく会っていなかった人に会うと、「痩せたねー」と言われる・・・これがなかなか嬉しい。こんなことがあると、やっぱり続けねば、と思うのである。ましてや同級生などで中年腹を突き出した不細工と喋っている時など、内心で「俺は絶対にこうはならんぞ!」と心に固く誓うのである。そう、私は腹の出たオッサンには絶対になりたくないのである。

 エアロビのインストラクターにも自分に向いている人といない人がいる。好き嫌いと言ってしまえばそれまでだが、仮にもインストラクターなら自分が理想とする体型であってほしいし、レッスンの動きも躍動感のある動きをしてほしい。この躍動感ということは大切なことで、手を抜いて(インストラクター自身が)力が入っていないとこちらの動きも表面的になり、せっかくやっているのに鍛わらない。そういう目でインストラクターを見るとなかなか「素敵な」インストラクターがいないのが分かる。近年ジムも増えてきて、インストラクター不足もあるだろうが、要はスポーツクラブも一見「装置産業」であって実はそうではないのだから、そこで働くスタッフの質をもっと高めてもらいたいものである。


 2004年5月

 今の私が熱中していることのひとつがジムとエアロビクス。次にバイク、次に釣りであることに最近気が付いた。身体を作っていくということはけっこう大変だが、得るものがあまりにも大きい。ジム通いを続けている人たちに聞いてみると、結局、つまるところ・・・私も含めて全員が止めた時の反動が怖くて続けている、と言って良いだろう。一ヶ月何もしないでいたら、おそらくこの2年余の努力は水泡に帰し、元の木阿弥になってしまう。そしてそれを取り戻すのに、また何ヶ月も努力をしなければならないからである。

先日の常連マッチョたちの更衣室での会話・・・「あのなぁ○○君、来るのが楽しくて来る日は週に1日か2週に一日だぜ・・・そんなもんだよ」

 事実私も「今日はやめとくか・・・」といった気分の乗らない日がよくある。しかし今日のトレーニングをやめてだらだらと過ごすと、明日ももっとやりたくなくなることを経験上知っているので、イヤイヤにせよとりあえずスポーツバッグを肩に担いで出かけるのである。この出かけてしまう・・・ということが大切なことで、ジムに行ってしまえば一通りの事をこなすことはさほど困難なことではないのだ。で、終わったあとのシャワー室の爽快感の中で、「アァ、やっぱり来て良かった」と思うのである。きっとみんな、こんな感じの繰り返しに違いない。なんだか詰まらないようだが、そうではない。これが努力ということで、体力作りに限らず、勉強でも、仕事でも、禁煙でも、何でもそうではないか。向上心を持ち続けて行くのが人生を充実させる上でもっとも大切なことだ。今の場所にとどまるのを自分で許してしまったら、そこで人生の意味がなくなるのである。たとえば腹筋を鍛えるのは辛い。毎日最低100回を目標にやっているが、辛い時もある。しかしその辛さのお陰で私の腹はなんとか締まっているのだ、と思うことにしている。楽をして筋肉が付くわけが無いのである。


6月11日

 いやぁ、昨日中級エアロを受けたあと250m泳いで体重を量ったらなんと75.8kgだった!!!初の75kg台だ!!!。その前に76.0kgが一度あったが、今まで一度も76を切ったことがなかったのである。これは自分にとって大変な出来事である。思えば苦節3年・・・84kgの脂肪肝のデブが・・・頑張ってシェイプアップを成し遂げたのである。スポーツクラブへ通って、体重はまず最初のうちは減る。人によって違うが私の場合は3,4kgはすぐに減った。しかしそのあとが大変なのだ。同じ運動量ではなかなか減っていかない。ましてや筋肉をつけながら贅肉を落とし、食事を普通に摂りながらなおかつ痩せるというのはけっこう大変なのである。食事はまったく制限していない(昔よりたくさん食べられなくなっているが)。ただ貧弱に痩せるのは面白くないので、肉もしっかり食べて、その分運動量を増やして頑張ってきたのだ。よし、ガンバルゾー!!。


2004/8月

 7月になり、あっさり75kgを切ってしまった。ううむ、癌じゃないだろうなぁ・・・。現在週に3日エアロをやり、腹筋を含めた筋トレはほぼ毎日やってはいるが・・・確かに食事量は減ってはきている。胃も小さくなって、一度にたくさん食べられなくなっているのだ。そしてなにより、体重よりウエストが減ってきている。春ごろに買ったウエスト83センチのズボンがガバガバになって・・・そう、ウエストが夢の70台ににも近づいているのだ(笑)。太るのも金がかかるが、痩せるのも金がかかる。90台のウエストのズボンは全部捨ててしまった。


2004/12月

 上記から体重変化は無く、75kg前後で推移している。それはさておき、ちょっと特筆すべき出来事があったので聞いて欲しい(笑)。それは、「生まれて初めて1kmを泳いだ」という、私にとっては自分でも信じられないような出来事なのである!。それも無着地で!。

 2週間ほど前に、私は「ゆっくり泳ぐ方法」を突如編み出した・・・。いや、編み出したというのは僭越で、何気なくやったことが遠泳の足がかりとなったのである。ゆっくり遠泳している人は誰でもやっていることなのだろうが、何のことはない、クロールにおけるバタ足をごくゆっくりと動かしてみたのである。ストロークも半分以下にして、とにかくバタ足で体力を使わないようにしたのだ。そうしたら、今まで往復50mしか泳げなかったクロールが、楽に100m泳げるようになった。これが第一段階。私にとって苦手なバタ足を使うクロールが一番疲れる泳ぎだったのだ。しかしその時は平泳ぎとクロールで400m泳いだだけだった。それまで300mぐらいしか泳がなかったのが、少し長く泳げるようになったという程度の話だ。

 遠泳に少し興味を持ち始めた私は少し頑張って、その後500m、600mと距離を伸ばしていったが、それはあくまでも総距離の話で、100mやっては休み、また200泳いで休み・・・という、いわゆる遠泳とは少し違う意味の泳ぎ方だったのだ。このときの私はまだ自分が長い距離を一気に休み無く泳ぐことが出来るとは思っても見なかった。そして先日、プールで一緒に泳いでいた助手が、400m泳いだ後で、コンビネーションで泳ぐことを提案したのである。これは往きの25mをクロールで行き、帰りの25mを平泳ぎで行くというものだった。水泳においては、助手は私の先生である。もう20年以上も泳いでいる。そして、ま、いっぺんやってみるか!と泳ぎ始めてみると、なんとこの泳ぎ方は私にとってピッタリの泳ぎ方だったのだ。クロールの疲れが帰りの平泳ぎで緩和され、次のターンの気力を生む。スピードはいいから出来る限りゆっくりとしたペースで一定に泳ぐ・・・。泳いでいる間は何も考えない・・・。こんな調子でこの日は600m追加で泳ぎ切ってしまったのだ。合計1kmも泳いでしまったことになる。この初の遠泳に、私は興奮していた。 なにせ今まで何百メーターも泳げる人たちを横目でうらやんでいた私なのだ。そして昨日、最初からこのコンビネーションで無着地(ターンの時足をつかない・・・という意味)で、1kmを泳ぎきったのである。お〜、やれば出来るじゃん!!。時間は約25分。助手より少し遅れたが、上出来である。この後エアロビをやったが、身体が燃焼して・・・冬場なのに何時までも温かかった。これが今回の特筆すべき出来事 というわけだ。


 


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