ETC.
船にもバイクにも乗れないと・・・A
11/22 桜海老のかき揚げを作って食べよう・・・オフ会
この写真は焼津の魚センターの一角。現地で採れた桜海老とシラスが生やら釜茹でで並んでいる。毎年5月、6月と11月、12月が漁期でそれ以外は禁漁だから、生ものが手に入るのはその時期しかないというわけだ。昨年の春に三保に行き、とある蕎麦屋で桜海老のかき揚げを食ったが、大変美味しかった。岐阜辺りでは桜海老と言えば干したものしか知らなかったから、そのアッサリとした甘さに感動したのだ。今年の春は釣りで忙しく、なかなか静岡まで足を伸ばす暇が無かったが、ちょうどかやのんちから「静岡で桜海老のかき揚げを食う」OFF会を企画したとの情報が入り、一も二も無く参加を決めた。
かやのんちのOFF 会だから、当然野外宴会である。従って桜海老のかき揚げはじょしゅが製作担当となった。最初は三保のどっかの美味しい店でかき揚げを食って、夜は宴会・・・と漠然と考えていたじょしゅは、それを知った前日、慌ててかき揚げの道具を買いに行った(笑)。かやのんちも柿の種もいわゆる「デリカ」仲間で、この日のメンバーもその系列だから我々より一回りも二回りも若い。ま、簡単に言うと「屋外で酒を飲むのが好きだ!」という輩であるというのが端的な表現だろう。昼にキャンプ場に着いて、早速乾杯となった。おい、近くの森を探索するんじゃなかったのか?!。
上がかき揚げ用の秘密兵器。これで揚げると下のように丸くきれいに揚がる。初めて使ってみたが、大成功で・・・これで今後のじょしゅの運命が決まったといって良い。永遠にキャンプ場で揚げ物担当になるに違いない。 とりあえず今回の大目的である桜海老のかき揚げが成功し、皆満足。ついでに書くと、同じ時期のシラスの釜揚げも大変美味しい。寿司で食った生よりも釜揚げのほうが旨い。
この日は昼から夜の10時過ぎまで終始飲んで食って騒いでいた。さすがに若いと食欲も旺盛だ。夜になるとさすがに冷えてきたが、特に風も無く、焚き火を囲んでの宴会が延々と続く。途中じょしゅの運転で近くの温泉に浸かりに行ったが、その後は大きなテントの中でストーブをたき、まったく寒さ知らずのキャンプであった。昔ならこのまま車で寝たのだが、翌朝に疲れが残るので今はもうビジネスホテルに泊まることにしている。翌日はうって変わっての東京行きだ。静岡の山の中から大都会へ・・・このギャップに少しだけワクワクする。
11/23-4 東京見物とインク秘蔵のビンテージワインの試飲会
掛川駅の駅前駐車場に車を止め、朝9時過ぎの新幹線に乗る。この日も快晴で、気持ちの良い風景が車窓を通り過ぎる。 今日はインクの家に泊めてもらうことになっているが、その前に久し振りにsonetaとも会うことになっている。今年勤めていた所をリストラ…いや、自主退社して宮城県は花山(あの大地震の花山地区です)に別居を構えて、そこでアウトドアライフコーディネーター(私の造語)を目指している。東京駅の中央乗換え口で待ち合わせた。最近一人でよく東京に来るじょしゅは「東京駅なら任せといて!」って感じで、6年間ココで暮らした私の指示を無視してすたすた歩いていくが、結局いつものように迷って私とはぐれてしまった(笑)。
私は学生時代、生活も遊びも東京の左半分が中心だったので、浅草にはほとんど行ったことがなかった。それでsonetaに浅草を案内してくれと頼んでいた。着いてみると・・・写真の通りの大混雑。この日も三連休の中日で、しかも天気もよい。三人で入った路地裏の古い食堂のラーメンが妙に懐かしい味でした。インクに連絡すると腰痛を押して車で迎えに来てくれた。駐車場も無いのでそのままインクを車で待たせ、奥さんと4人で秋葉原、上野のアメ横などを散策。どこもかしこも物凄い人の数である。
久し振りの東京の人混み・・・やっぱり商売をやるならこんな所でやりたいね・・・衰退の一途を辿る岐阜の柳ケ瀬を思い起こしながら思った。この界隈は昔から新宿や渋谷などとは町の作り自体が違う。戦後の復興期を髣髴とさせる、こんな下町の雑踏は・・・息苦しくも懐かしく、そして何より元気がある。
さて、ここが千葉の竹薮という蕎麦屋である。そもそも東京に行くと決めて「どこに行くか」という話になった時に候補に上がったのがここで、風情があって美味しいと評判の蕎麦屋だ。越谷のインクの家から30分ほどで行けるというので、ここに夕食の予約を入れていた。丘の上に建つこの蕎麦屋、写真は下の駐車場から登ってくる途中の風景だが、全て手作りであり、主人の創作に関わる情念が感じられる。
ま、こんな感じで乾杯。今夜はこの料理のほかに、インクの家に保存してある秘蔵のワインの試飲会がある。インクに言わせると世界各地から取り寄せた美味しいヴィンテージものらしい。最近インクの性格というか志向が分かってきた。つまり彼は、自分の採ってきたモノや集めたものを人に褒めてもらいながらニヤニヤするのが好きなのである。「ほら、これはオレが海に潜って採ってきたアワビ、黒アワビだから・・・旨いでしょ!」てな具合に自慢しつつ、そのくせ自分は一切れしか食べないのである。人が喜ぶのを見て幸せになることは良いことだが、果たして酒の飲めないインクが集めたワインとはどのようなワインなのだろうか・・・、これが今夜の最大の謎と楽しみであった。
最初に出てきたということを差っ引いても、一番美味かったのがこの「荒挽き蕎麦がき」。コーヒーミルで挽いたという蕎麦を熱湯で捏ね、軽く炙ってあるため、香りも食感も絶品となっている。新しい発見だ。これなら自分でもやれるので一度やってみよう。コースで出てきた後の料理も美味しかったが、特筆モノとして写真を載せておこう。
冷水でよく締められた腰のある、滑らかな蕎麦。最近蕎麦を食うと、以前とは違って打ち手として見てしまうので、逆に味が良く分かるようになった。なんでも自分でやってみるとその奥深さと出来具合が分かるものである。
蕎麦を食った後、まだ時間があったのでインク邸の近くにできたという北欧家具屋のIKEAに寄った。馬鹿でかい家具屋を一通り歩かされ(そういう作りになっているのだ)、その後じょしゅがフラのパウスカートが欲しいと言い出して、これも最近近くにできたという超馬鹿でかいイオン(なんでも関東一らしい)に連れて行かれて・・・どちらも満員・・・いったい今日は何万人の人とすれ違ったのだろう。
さて、夜のインク邸でのワイン試飲会の模様である。その前に車の中の会話で、どうやって保存してあるの?と私が聞くと、インクが「いや、どうって?・・・普通に床に寝かせてあるだけだよ・・・」と言った言葉が私に不安を抱かせた。ワインは酒と同様に生きている。冷やしすぎも良くないが、温かいのはもっといけない。保存は「ある程度湿度のある、一定(10〜18℃)の温度の場所に寝かせておく」というのが世界中の常識である。そこって夏は30℃以上になる?と聞くと、奥さんが「なるわよ〜」と明るい笑顔で答える。何年も置いてあるの?「そうねぇ、古いやつは6年も7年も前からよねぇ」・・・ううむ、不安・・・。
出てきたワインは15本から20本ほどあった。奥さんが出してくるたびにインクが嬉しそうに「これはどこそこで買ってきてもらったヤツで・・・」と解説してくれる。特にこれなんか、一本何万円もするヤツなんだから・・・というフランスワインをとりあえず開けた・・・コルク栓を抜く時、いやな予感がした。コルクの表面が薄汚れた茶色をしている。温度が上がりすぎて中身が噴出したのだろう。栓を抜くと同時に、香るはずのかぐわしい香りが無く、僅かに「オレも昔はちゃんとしたワインだったんだぞー」という脆弱なブトウの香りとそれを上回る腐敗臭・・・色も鮮烈な赤ではなく、薄汚れたレンガ色・・・案の定、このヴィンテージワインは腐っていた。見事に腐り果てていたのだ。その後栓を開けたワインボトルが上の写真である。つまりこのワインは飲み比べどころか、私の指示で奥さんが全部台所に流し捨てたのである。
あまりの惨い仕打ちに泣き崩れるインク・・・。それをただ無言で慰めるsoneta。インクが採ってきたイイダコやらトコブシやらイクラ、奥さんの味付けした美味しい肴が並ぶ食卓で、主役となるべく自慢のワインが全部目の前で捨てられる・・・確かにインクにとってこれは残酷すぎる結果であった。人に喜んでもらうのを喜ぶインクであるからなおさらである。「あ〜、良かった、やっと片付いたわ!邪魔だったのよ〜このワイン」場所をわきまえない奥さんの明るい声がインクの悲しみをさらに増幅させる。「なんか、ワイン飲んで腹が痛くなってきたので家に帰ります」とさらに追い討ちを掛けるsoneta・・・。無知は時に人を残酷に斬り捨てるものである。
インク邸に泊めてもらって、翌日は船橋のIKEAに行って買い物をして、電車で東京駅、夕刻には掛川駅に着いた。電車もたまにはいいなぁ。東京もたまにはいいかも。インクさん、お疲れさんでしたぁ!。 奥さん、気遣いありがとうございました。