touring diary2005 6/12                 転んじゃった!


 こんな道路に出会うと心が躍る。バイクでしか通れないということはもちろんだが、この先にはほとんど誰もいない・・・という安心感や、山菜や釣りなども独占状態であるということへの期待感・・・う〜ん、林道って大好き!!。これは根尾から徳山に抜ける馬坂峠である。今までこんな状態の通行止め林道を全て走破してきた。バイクは1メートルの幅があれば十分通れるのだ。途中渓流で竿を出すが、魚の気配が無い。ほどなく今では廃村となった徳山村に到着する。

 15年ほど前、ワサビを最初に採ったのもこの村だ。この村出身の人たちの案内でワサビのありかを教えてもらったのだ。徳山ダムの工事は遅々としながらも着実に進み、この下流では山肌が大きく削り取られていよいよダムが出来かかっている。やがてこの風景もダムの底に沈むのかと思うと、やりきれない郷愁が湧く。自分の生まれた村でもないのに、なぜ?。それは日本の原風景としての郷愁かもしれない。ひどいことをするものだ。ダムは本当に必要なのか?

 冠峠を抜けて福井県に出るはずが、すぐに崖崩れで通行不能・・・これはバイクでも無理だ!。今期初めての通行不能に歯軋りをしながらも、飯を食いがてら脇の支流で少し釣りをやるが、この辺りの谷は昨年の台風による大雨で土砂が流れ込み、淵を埋め、浅瀬ばかりで魚の気配が無い。無思慮で無謀な開発が雨に弱い山を作ったのだ。ちゃんと自然を元に戻せ!。林野庁、お前のことだ!。

 で、すぐに根尾に戻り、黒津に向かう。黒津に向かう道は車がすれ違えないほどの狭い道で、なおかつ極度に湾曲しており、なおかつガードレールも無い、間違って落ちたら一気に40メートル下の谷底に転落するという・・・非常に危険な道だ。実際今までも何台かのトラックが落ちている。この道で、私は少しスピードを出していた。前をノロノロと車が走っているのを追い越して、その勢いを持続させたままつい飛ばして過ぎていたのである。セローは自転車感覚で乗れるので、つい・・・。

 カーブを曲がったところで突然白い車が現れた!。私は急いで前輪のブレーキをかけたが、なんと前輪がロックしてしまい、ハンドルが左右に振れ・・・咄嗟に後輪ブレーキをかけたとたん・・・あえなく右横倒しに転倒してしまった。この間1秒ほどの時間だったろう。目前に車のボンネットが迫り、一瞬「ぶつかる!」と思ったが、私の顔10センチメートルで車は停止した。右足にセローが乗ったが、軽いので助かった。もしゼファーだったらこんな程度では済まなかっただろう。幸い骨折などは無かったが、ひざを大きく擦りむいたのと・・・今日になって内側の靭帯がひどく痛み出し・・・車の乗り降りや階段を下るのがたいそう辛かった。先回タイヤを新品に換えたばかりで(しばらく滑りやすい)、しかも一段オフ仕様に上げた(オンロードでふらつき易い)のも原因のひとつだろう。しばらくエアロビが出来ないかもしれない。バイクは我慢すれば乗れるだろうが・・・ううむ、それにしても不覚!。


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